ふと気付くと、そこは見知らぬ校舎の上だった。
「あれ?」
がやがやと向こうで小さな音が聞こえる。
生活の音が耳に入ってくる。
けど何か怖い。
「・・・どこ、だ?」
鐘の鳴る音がする。
何かを告げる合図なのは理解してるのに、
それが何か知らない。
私は・・・
「・・・あれ?」
「ここ、どこだ?」
見渡して見えるのは一面の青空。
太陽が眩しいほどに白くて、
白くて青くて白い。
雲ゆったり揺らいでいて、
公転する地球に合わせて雲が動く。
「朝?」
おかしい。
おかしいだろ。
だって私の記憶は、日が落ち始めた夕方で止まってる。
時計で確認もした。
16:00ぴったりだった。
いつのまに朝に?
いやそもそもいつの間に学校に?
私学校なんて行ってなかったのに。
薫さんと出かけてて、買い物して、
・・・買い物・・・
薫さんって誰だっけ?
記 憶 が 正 し け れ ば 、
私 は 薫 な ん て 人 を 知 ら な い は ず な の に
「・・・あれ?」
ここは何処?
私はもう一度呟いて、『薫』さんの名前すらも忘れてしまった。
ホワイトコンクリートの逃げ道
= = 逃 亡 経 路 = =
(動悸息切れ、額に汗 掌はじっとりと冷たい)
(逃げろ逃げろ逃げろニゲルンダ)
(耳元で囁く声に目の前は真っ白になって消えて行く)