「ただいま」
無人の家。
無言の回答。
ああ、今日もか。
なんて諦めた自分がいて。
あの人がいないことに安堵する自分がいて。
ああ、いやだ。
「帰ってたか。」
「今来た処です。」
と思ったのに、なんだ。
いたよ。
いないと思ったのに。
「学校は?」
「今更行ったって、何の徳があるんですか?」
「それもそうだな。」
私が嫌いな嫌いな大嫌いな人。
生まれた瞬間から私はこの人の存在を認めない。
ああ、やだな。
ホント、薫さんには見せたくない姿だ。
・・・あれ?
薫さんって誰だっけ?
そんな人居たっけか。
まぁ、いいか。
「、お前今日なんの日か忘れてないよな?」
「・・・忘れた。」
「!!!」
「呼ぶな!!」
「なに?」
「アンタが私の名前を呼ぶな!!」
「・・・・・・」
嫌い嫌い嫌い。
この世で唯一嫌いな人間。
心の其処から拒絶した人間はこの人だけ。
ああ、つまんないな。
そう思った。
ああ、だからあんな夢、観たのかな。
覚えてもいない
夢 に 恋 焦 が れ て も 、
結 局 ど う に も で き な い
現 実 が 待 っ て い る
のに。
「 シ ン ジ ャ イ タ イ 」
「!!!」
最後に見た記憶は兄貴が愕いた顔だけだった。
あー、最悪。
レッドレッドの警告音
= = 危 険 信 号 = =
(灯りのない暗闇に一つだけ浮かび上がる紅い光)
(ゆっくりと然し確実に聴こえてくるその音)
(耳を塞ぎ目を閉じて私はただ拒絶した)