Happy Birthday
「ねぇ、『ハッピーバースディ』ってどういう意味か分かります?先生。」
「・・・何を言ってるのかナァ、ウォーカー君。」
「だから『ハッピーバースディ』。分からない?分かるでしょ?」
「『誕生日おめでとうだろ』だろ?」
「YES、Correct answer、・・・Bad、Of course、・・・・No.」
まるで子供に言い聞かせるように、一つ一つ言葉を紡ぐ。
『はい、正解。・・・だけど、勿論・・・違う。』
「なら、正解は何?」
「うふふ、『Happy Birthday』は確かに『誕生日おめでとう』ですけど、言い換えれば、違う意味になるんですよ。」
泥酔状態のような彼の眼は、正気じゃなかった。
「『Happy Birthday』、『生まれてきてくれて、ありがとう。』つまり、『Happy Birthday』は『死を覚悟しろ』ですよ。」
うっとりと、それでいてしっかりとその綺麗な口は、残酷な言葉を吐く。
「どうして、そうなるんさ。」
「生まれたってことは、死ぬってことですよぉ?」
「・・・は?」
「生まれたってことは、いつか死ぬんです。今日死ぬかもしれない、明日死ぬかもしれない。あと1分後、死んじゃうかもしれない。いつ来るか分からない『死』を覚悟しろ。そういう意味なんです。」
「深く考えすぎじゃないかな?」
「そんなことない。本当のことでしょ?『貴方は一つ年を取ったけど、いつ死ぬか分からないのだから、精一杯生きろ』だから『Happy Birthday』。」
「・・・・・・・・・」
「『死は逃れられない絶対だから、いつでも死ねるように、精一杯に生きろ』」
「・・・ウォーカー・・・」
「『Happy Birthday』、先生。『Happy Birthday』、僕。『Happy Birthday』、人類。」
「『Happy Birthday』、世界!!!」
キャハハハハ
少女のような高笑いを決めた、彼は、ぞっとするほど、美しい顔で、眠りに落ちた。