「じゃ宜しくね猫目の笠井君。」

 

子猫ちゃんは家族想い

 

 

ちゃん本当に猫好きなんだねー。」
「好きだよ〜、うちは一家揃って猫好きvv亮だって猫好き。要と潤が寂しそうだったけど?」
「あー・・・、あいつら俺のこと忘れてんじゃねぇの?」
「要?潤?」
聞き覚えのない名前に藤代が聞き返す。するとは「ペットの猫」と短く応えた。
ちなみに要はアメリカンショートヘアーの雄、3歳。潤は雑種の黒猫、雌2歳。要は三上に懐いていて、潤はに懐いている兄弟じゃないのに兄弟っぽい飼い猫たち。
勿論猫大好きなが大変可愛がってる三上家の一員だ。


「潤がね、猫目の笠井君に似てるの。」
「そーいやそうだな。」
「素直に喜べないんですけど・・・。」
誰だって猫に似てるといわれて大喜びできるかどうか。三上兄妹にしたら最大の褒め言葉だがそれに気付く者はいない。



「笠井君、猫嫌い?」
「嫌いじゃないけど、」
「ホント?今度遊びに来る?」
「え、良いの?」
「猫目の笠井君来てくれたら嬉しいからvv」
「あー、俺も行きたい!!要君たち見たい!!」
「良いよ〜、渋さんも来ます〜?」
「お邪魔じゃなければ行かせて貰おうかな。」
「ふざけんじゃねぇ!!!お前等!!誰が行かせるか!!!」
やっぱりと言うかご登場、シスコン三上兄。


「じゃあ、亮と一緒に泊まりに来てよ。料理頑張るよ〜。」
「あれ、ちゃんが料理作るの?」
「うん。」
「お母さんとか・・・」
「ママ居ないけど?」
「え・・・」
「藤代、笠井知らなかったのか?三上の家は父子家庭だぞ。」
「渋沢には話してたからこいつ等はしらねぇんだよ。」


曰く、ママさんは身体が弱い人でを生んで直ぐに亡くなっているらしい。とと三上はパパさんから聞いている。その話を聞くたびいつも思うのは、『あの生活能力のない父親が2児抱えてよく生きていられたな』だとか・・・。今だから言える笑い話らしい。


パパさんの生活能力のなさは折り紙つきだ。それこそ結婚前は、

冷蔵庫の中に食料がないが、スーパーまで面倒で3日後漸く空腹を訴えりんご一個を買いに行ったり。
(アパートの大家さんが大慌てで物を食べさせてくれたらしい。)
一個でどう生活するつもりだったんだろう、パパさん。


気まぐれで掃除をしようとしたら、逆に汚くなってしまったり。
(当時付き合っていたママさんが来て頭を抱えながら掃除していた)
ある意味才能だよ、それ。


他にも多々。どうして生きてるんだろうこの人、と兄妹は子供ながらに思ったとか。

三上パパ、頭も良いし不器用でないはずなのに、何故か生活能力が極端に低い。仕事は超がつくほど有能なのに、スーパーでの買い物を何故か嫌う。パパさんに自炊させてはいけない。と言うかあれだ、自炊に関して自分で考えられない人らしい。だって、カレーは指示すれば作れるし、洗濯だって見ている限りではそつなくこなす。掃除だってあれをやれと言えば本棚はぴっしりとそろえられる。(何故本棚かは分からないけど)つまりあれだ、自分から自炊してこうって言うきがないんだと思う。きっと・・・。(遠い目)


「あ、そろそろ職員室行かなきゃ。」
「あ、もうかよ。」
「うん、午後から登校するから担任とちょっとお話するーって呼ばれてる。」
「クラス何組だって?」
「2組。」
「タクと一緒じゃん。良いなぁ。」
「良いの?」
「体育祭とか文化祭が一緒だからね。」

ちなみに武蔵森の学校行事は男女混合のクラス単位ごと。つまり、女子1年1組なら男子1年1組と合同となる。体育祭・文化祭等々、イベントごとは大抵一緒なんだそうだ。補足として言えば、ちゃんは1年2組、笠井も1年2組。藤代が1年1組で、三上は2年4組、渋沢が2年5組だそうだ。ついでに3組には中西君。(どうでも良いのでは?)

「マネのことは監督に話を通しておくから。」
「お前は放課後挨拶に来い。」
「はーい。」
「迷わず来いよ。」
「迷わないよ〜。」
「じゃーね。」と弁当を持ちながらは手を振って屋上を後にした。ぶっちゃけちゃえば彼等4名多分5時限目はサボりだ。桐原監督の胃炎が広がるのが目に見える。











「転入生の三上さんだ。皆仲良くな〜。」
「三上です。趣味はサッカーです。宜〜しく〜。」
三上、あらびっくり何故か5時限目は質問タイムにはや代わり。余所者に興味があるのはどこでも一緒だ。

「三上さん、三上さんってアメリカからの帰国子女なんだって?」
「凄いね、英語喋れる?」
「少しだけなら。(あっちで普通に学校通ってたんだから喋れるに決まってるじゃん。)」
「趣味サッカーって、見るの好きなの?」
「うん、見るの好き。」
「じゃあラッキーだね、この学校サッカー部が凄く強いんだよぉ。」
「うん、知ってる。」

ちゃん、額に青筋立ってます。質問と言うか構われるのがあまり好かないご様子。


「三上さんって、大人っぽいね、やっぱアメリカの人は大人っぽいの?」
「(それは偏見だって。自分純日本人だし。)ありがと。」

にとって、女子と言うかクラスメイトに良い思い出がないからなのか。
たとえば小学校の時は遠巻きに見られ、けして関わろうとしてこなかったり、アメリカでは日本人と言うだけでやっぱり仲良くはしてもらえなかったり。多分、ここでもそうだろうと思ってた。だけど、
なんですかこの状況。

座る机を囲むように女子生徒のヤマヤマ山!!!人と関わるのをあまりよしとしないにとっては地獄。それにこういったことが過去あったにはあったけど、あの時は確か・・・


「三上さんって、もしかして、2年の三上先輩と何か関係あるの?」


ほら、来た。小学校のとき、に自ら関わってくる女子は大抵兄目当て。当時から美少年だった兄に少しでも近づきたいとを利用してくるやからが多かった。更には彼女達はが兄に近づかせないと言うと平気でをののしり始める。兄が嫌いではない。寧ろ大好きだし大切だ。だからこそ、兄に迷惑を掛ける彼女達が憎くてしかたなかった。



「・・・亮?」
「亮だって!!兄妹とか??」

きゃあと色めき立つ女子生徒。ああまたかとは作り笑いを浮かべる。どうせ彼女達も自分を利用して兄に少しでも近づこうとするに違いないと。酷い女子では、長期計画で近づこうとしてきた奴もいた。
あれは確か小4のときだったか。クラス替えを終えたに大人しそうな女子生徒が近づいてきた。はなれたふうにまた兄目当てかと決め付け遠ざけようとする。それを繰り返すこと2ヶ月弱。結論を言えば、結局はそのこと友達になった。兄に近づくそぶりをまったく見せなかったからだ。だけど、いざ兄に紹介すると態度が急変。結局彼女も最終的には兄に振られた腹いせにを罵って去っていた記憶がある。

「うん。お兄ちゃん。」
「やっぱり!!!???ねぇねぇ、三上先輩って家族と一緒だとどうなの??」
「・・・・・・ねぇ、あなた達。」
『え・・・』
にとって、兄に近づく奴は、『敵』。だって兄が自分で決めた相手なら何も言わない。だけどそれが兄に迷惑を掛けるようならは黙っていない。

「無駄だよ、亮に近づくために近寄ってきても、あんた達なんかに亮は紹介しない。」
クラス中が沈黙する。さっきまで楽しそうに笑っていた。だけど表情を消し去ったに、誰もが言葉を失う。冷たい冷たい目だ。あの三上亮が時折見せる冷たい目。ソックリな兄妹。

「な、何言って・・・」
「あんた達が兄に迷惑を掛けるから、絶対に紹介しない。兄が迷惑するならあんた達となんか仲良くならない。昔から近づいてくる奴等全員兄に近づこうとしてきた奴等ばっかりだった。きっとあんた達も同じなんだよね?」


が口角を上げて笑う姿が三上とダブル。間違いなく三上の妹だと知らしめる行動。目を細め睨みあげるの行動に誰もが息を呑む。これが所謂デビスマである。自身の顔の良さに比例してその威力は絶大。教師までも言葉なく突っ立っている。


「いくら媚売ったって、結局内面は外面に現れるんだよ。あんまり近づいてこないで?化粧くさくて吐き気がするから。」


はにっこりと笑って外を眺める。見える本棟の屋上に動く人影、きっと兄と笠井君たちが5時限目をサボってるに違いない。いいなと呟く。流石に初日からサボるわけにも行かない。



「(学校って、やっぱり退屈だ・・・)」


兄や笠井たちに会いたいなとは目を閉じて思った。











ちゃん、今頃授業っすかね?」
「さーな。だけどあいつのことだ、絶対友達つくんねぇだろうな。」
「? どうしてです?さん人当たり良さそうだし。」
「バーカ、あいつ『女子生徒』って奴を目の敵にしてんだぜ?」
「「「え?」」」
「小学校のとき、その『女子生徒』のお友達にえらい目にあったからだろうよ。」

処変わって5時限目の屋上。やっぱりサボってる武蔵森四天王。これで頭良いから(一部除く)教師も何もいえない。一部?って?決まってるじゃん、
藤代だよ。
彼は人当たり良いし大抵の中心人物だけど、勉強だけはあまり好かない。最大に悪いってわけじゃない。ただ他3名に比べたら格段に低いだけ。テスト勉強面倒だからってしないのはどうかと思うよ藤代君。テストで赤点取ったらあなた部停になるの分かってる?ああ分かってるから、
赤点ぎりぎりの点数取るんだね、いつも。



「つまり、三上先輩のせい?
「ああ、なるほど。」
「待て待て待て!!!」


藤代は傍観を決めている間、三上が比例して疲れて言ってる。そりゃそうだよね、サッカー部の2大腹黒に当てられたら誰だって。藤代助けないし(いつも自分が受けてるから今回だけは関わりたくないんだ)。

「それは冗談として、」
「(嘘付け)」
何か?
「別に・・・」

弱い、弱いぞ三上!!後輩に押される先輩を藤代は面白そうに遠巻きに見ていた。関わりあいたくないと言うオーラがありありと背後に揺らめいている。

「大丈夫なんですか?さん、うちの女子ってかなり過激ですけど。」
「だよなー、前三上先輩のストーカー騒ぎ起こしたのって、あれ3年だったんでしょ?」
「ああ、付き合ってくれなきゃ死んでやる!!と豪語したらしい。」
「って、なんでお前等が知ってんだよ!!!」
「「「近藤(先輩)から」」」
近藤の奴、殺す・・・

近藤君、君に明日はないかもしれない。今のうちに夜逃げしておきなさい。昼だけど
「まぁ、大丈夫だろ。だしな。」
「「?」」
「何かあれば俺達もいるしな。」
「(お前には絶対任せねぇ)は女子相手に負けるようや奴じゃねぇよ。」
とか言って実は内心、「何かあればただじゃおかねぇ・・・」とか思ってるに違いない。

三上亮、もし彼女に「妹と私どっちが大切なの?」と聞かれたまず即答で「妹」と答える中学2年生。犯罪まがいなことだけは起こさないようお願いいたしますね、三上さん。


三上の言葉の意味を3人が知るのはもう少しあとの話。

 

 

「得意科目は?」
「数学と理科。」
「ホント三上先輩そっくりだね。」
「亮、勉強教えるの得意なんだよ?」
「へぇ(見かけによらず)」

(08.11.16)