タ ブ レ ッ ト
- 偽 家 族 -

 

 

 

「ラビ〜!!!」
「よっす、ロード。」
「何ぃ?ティッキーとお出掛け?僕は?」
「お前は千年公と留守番。」
えええ!!!ロードがラビの上におぶさりながらロードが嘆く。


「僕も行きたいなぁ??」
「俺は構わねぇけど?」
「だからラビって好きだよぉ?」
「俺もロード好きさね。」
まるでじゃれる兄妹だな。と思いつつそれでも全身全霊を持って、



「勘弁しろよ!!俺が疲れるだろーが!!!第一お前は学校だろ!!」
引っぺがす。

「残念でしたぁ〜。明日から長期の休みだよぉ。」
「なら一緒にいられんな。」
「わ〜〜い!!」
「うっそー・・・。」
「僕、伯爵に言ってくる〜。」
「おー。」


あのロードが珍しくスキップでもしそうなほど上機嫌で俺達のいた部屋へと入っていく。


伯爵。僕もラビと一緒に行ってくる!!!
何言ってるンデスカ、アナタ。
ラビは良いって言ったよぉ?


どうか止めてくれと頼んでも、ロードにとことん甘い千年公のこと、
ラビとロードに頼まれればNOとはいえないだろう。


「ティッキ。残念。俺とのランデブーはなくなったさ。」
「そう思うならあれをどうにかしろ。」
「ひっどいな、ロードはティキの妹だろ?無碍にしたらいかんよ。」
「そう思うなら少しはカマってやれ。」
「ええ、これ以上ないってくらいかまってるさ。」
俺にとっても大切な妹だし。ラビはおどけた様子でロードの入っていった扉を見詰める。

「伯爵良いってぇ!!!」
Vサインを出して、そのままラビに抱きつくロード。
もう引っぺがす気にもならなかった。


「やったじゃん、ロード。」
「良いですカ。ロードとラビに怪我させないようにして下さいね、ティキポン。」
「頼むぜティキポン。」
「宜しくぅ、ティキポン。」
「・・・・・・お前らな・・・。」
ぬぅっと疲れた様子で千年公が部屋から出てくる。
大方ロードにごり押しされたのだろう。



「まぁ、良いか。」
ついついそれでも妥協してしまうのは、悲しい兄貴の性なのか。
珍しく無邪気なラビを見ていれば、それでも良いかと思えてくるから不思議だ。





ラビは気分によって人への接し方が変わる。
無邪気なラビは、機嫌が良い。
寝惚けたラビは、人の話を聞きもしない。
笑顔のラビは人を拒絶する。
本を読み始めたラビは、手に負えない。
それによって態度を変えるわけではないが、対処の仕方は変わってくる。
基本、人を拒絶してばかりのラビが機嫌が良いと言うことは滅多にないことだ。
その時ばかりは、本当に18なのかと疑いたくなるほど子供のような無邪気な顔で話しかけてくる。



「お菓子持って〜、」
「本持って〜、」
「人形は?」
「いらねぇだろ。」
「えぇ、」
「邪魔なるだけじゃね?」
そこらにAKUMAも居るし。ああ、そうだね。
まるで遠足でも出かけるかのテンションに呆れつつも、それを止めようとは思わない。



「荷物は少なく頼むぜ。」
「「はーい」」
と返事だけは良くても結局は悪餓鬼ツインズ。
要領外に持っていくことだろう。それを持たされるのは明らかに俺だ。

「ロード、お前の『部屋』に俺の本入れといて。」
「ええ、そうすると僕と遊ぶ時間減るから嫌だよぉ。」
「良いじゃん。駄目さ?」
「ラビがキスしてくれたらね。」
「・・・・・・了解姫様。」


ちゅっ
ラビが少し屈み、ロードの唇に軽くキスする。
二人にとってはじゃれているだけなのだ。


「いつもの『部屋』に入れとくよ。」
「サンキュー。」

ロードの作り出す、複数の『部屋』の中で、ロードがラビのためだけに造った部屋が存在する。
そこは、膨大な本の数々が置かれ、ラビはたまにどころではなく頻繁にそこに出入りしていた。
ラビのあの真っ白な部屋からその『部屋』に直でいけるように繋げたのはロード。
学ぶことの嫌いな俺とロードは、用が無い限り、あの『部屋』の中に入ろうとも思わない。


「面倒臭いから、どこかの『部屋』にまとめて荷物入れとけ。」
「ああ、そうさね。やっぱ手ぶらの方が楽だもんなー。」
「貴方達、旅行に行くんじゃないんでスから。」
「大して変わらないっしょ。」
「リストの奴探して世界中巡るわけだしな。」
「ちょっとした旅行みたいで面白いよねぇ。」
どこが違うの?とラビとロードが揃って千年公に尋ねる。
ああなったら流石の千年公でも歯がたたないか。


「・・・ちゃんと仕事はして下さいネ。定時連絡もしっかりと。」
「分かってますよ、」
世間の親ばかと大して変わらないな。などと考えて、誰にもばれぬように息を吐いた。

 

(09.05.03)